こんにちは!
山頂café副代表のごーしです。
山頂caféの登山はグループ登山が基本。
私もこれまでたくさんのビギナー登山者と一緒に登ってきました。
登山をしていて気づいたのが,下り坂が苦手な初心者がとても多いこと。
下っている最中にひざがガタガタと震えた経験はありませんか?
転倒してケガをしたり,ひやっとしたことはありませんか?
それは間違った歩き方をしているからかもしれません。
下り坂の上手な歩き方を覚えれば,ひざへの負担が減って疲れにくくなります。
ケガの予防にもなるし,長い距離を歩くことだって可能です。
今日は体力のない人でも実践できる下り坂の上手な歩き方を紹介します。
下り坂で疲れる人にはいくつかの特徴があります。
こうなる原因は決して体力がないからではありません。
たった2つのコツを意識すれば,だれでも上手に歩けるようになります。
そのコツは軸足のひざを曲げることと視野を広くすることです。
階段を下るときの歩き方を見てみましょう。
階段を下るときは,まず足をまっすぐ前に出します。
出した足が着地するより先に,重心が軸足より前方に移動します。
このとき軸足のひざはほとんど曲がっていません。
出した足が着地するのとほぼ同時に,重心は着地点に移動します。
登山道で階段と同じような歩き方をするとどうなるでしょうか?
出した足が着地するのと同時に重心が乗るので,着地した足に大きな負担がかかります。
重心の位置は常に前へ前へ移動していくため,急に止まることができません。
止まろうとすると着地した足で踏ん張ることになるので,さらに大きな負担が足にかかります。
このような階段歩きが下り坂で足が疲れる原因となっています。
こんどは,軸足のひざを曲げたときの歩き方を見てみましょう。
出した足が着地しても,重心が軸足の上にあるのがわかりますか?
着地する足に重心が乗らないので,足への負担が小さくなります。
重心の移動が穏やかになり,いつでも止まることができます。
さらに,着地点の足場が不安定だった場合,足場を変えることができるのです。
これは転倒を防ぐためにとても大切なことです。
下り坂では軸足のひざを曲げて歩く。
ぜひ意識してみてくださいね。
足場の選び方にもコツがあります。
図のような下り坂があったとき,あなたならどこに足を置きますか?
進行方向のライン上にあるBの足場を選んだ人はとてもせっかちな人です。
平地では最短ルートでも,登山道ではもっとも段差のあるルートです。
進行方向上の足場ばかり選んでいると,すぐに足が疲れてしまいます。
図の中で最も段差の少ない足場はどこでしょうか?
答えは進行方向のとなりにある足場になります。
登山道は大きな石や段差があって,歩くだけでも神経を使います。
ときには,ちょっとした崖のように見える道もあるでしょう。
そんなときは少しだけ視野を広げてみてください。
進行方向のとなりに段差の少ない安全な足場が見つかるはずです。
下りは慣れとよく言われます。
平らで舗装された道ばかり歩いている私たちにとって,山道は慣れない道なのです。
たくさん登って体で覚えることも大切ですが,頭を働かせれば早く上達できることもあるでしょう。
軸足のひざを曲げること,視野を広げること。
みなさんもこの2つを意識して,疲れない下り坂の歩き方を実践してくださいね。