登山計画の立て方について

登山計画スキルを身に付ければ、山登りの機会が増える!

「山に登りたい!」と思ったら、どうしますか?仲の良い友達に「企画してよ!」という方もいらっしゃるでしょうし、旅行会社が主催する登山ツアーに 参加するのという方もいらっしゃるでしょう。しかし、誰かが考えた企画に参加するだけでは、なかなか都合良く登山の機会に恵まれるとは限りません。また、 「安全登山」という趣旨からしましても、まかせっきり(ルートが頭にないままついていくだけのような場合)というのは、集団遭難につながりやすく、あまり 好ましくありません。自ら計画を立て、それを実行、チェックし、次の山行計画に役立てるなどのサイクルにより、スキルを少しずつあげていけば、登山を思う 存分楽しむことができるでしょう。

それでは、「自分で登山の企画をする」際のポイントをお伝えしたいと思います\(^o^)/


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山行計画のポイント

(1)登りたい山についての情報収集を行う。

たとえば、「槍ヶ岳(やりがたけ)」に登りたいなぁ~と思ったとします。山にはそれぞれ難易度がありますし、登山ルートも様々です。そのため、ま ずは事前情報として、インターネットで「槍ヶ岳 登山」などのように検索しましょう。検索するといろんな候補が出てきます。中には、個人の書いたブログや山行記録が出てくると思いますが、これらはあくまで“参考程度”にし、計画の“根拠”とはしないようにしましょう。ここで、チェックすべきは、「山小屋の公式HP」か「観光協会の公式HP」です。たとえば、http://www.yarigatake.co.jp/になります(見てるだけでわくわくします!)。

これらのHPは登山者が事故を起こさないように、登山道の状況なども詳しく書いてありますので、情報周の時間を短縮することができます。調べるポイントは次のとおり。

 

①標高

(登山口の標高もわかればベストです。標高差が大きいほど、ひざへの負担が大きく、体力を要します。また、2500Mを超えるような山では高山病のリスクを考えないといけません。気温も低地と比べてかなり低くなるだろうという予想もできます。)


②所在(登山口までのアクセス方法)

(現在の居住地からどれくらいで行けるのか、公共交通機関で行く方法があるか、などを調べます。特に「マイカー規制」があったり、季節によってバスの時刻が異なっていたりしますので、よく確認しましょう。)


③登山ルート

(ど ういうルートで頂上まで行くことができるか。一番登山者が多いのは?コースタイムが短いのは?一番危険性が少ないのは?一番標高差が少ないのは?一番眺望 がよいのは?などを調べます。できるだけ登山者が多いルートを選びましょう。時間が短いという理由だけで選んではいけません。)


④登山道の状況

(積 雪はある?台風などで崩落したりしていない?ハシゴや鎖場などの危険個所はない?山岳事故やクマの目撃情報などはない?山小屋はある?その山小屋は売店が ある?などを調べます。せっかく早起きして登山道に向かったのに、林道が閉鎖されてました!なんてことにならないようにご注意を。)

 

こうして(ん~、鎖場やはしごもあるし、上高地までも東京から結構あるし、上高地からも結構時間がかかりそう…もう少し経験積んでからにしよう。山は逃げないんだから!)なんて考えたりします。

 

(2)「山と高原地図」を購入する。

「山と高原地図」についてはhttp://yamachizu.mapple.net/です(このサイト自体も計画を立てる際におススメです!)。

「山 と高原地図」は、山登りやハイキングのために作られた専門的な地図であり、現在位置の把握につながる「等高線(10mごとに同じ標高で結ばれた線)」や 「水場(給水ポイント)」「鎖場やハシゴなどの場所」、目印となる「分岐」「分岐と分岐の間のコースタイム」など、様々な情報が載っております。地図を買 わずして、計画は立てられないでしょう。HP上の地図だけでは詳細がわからないことが多いので、できるだけ避けましょう。


(3)「山と高原地図」を読んで、自分が登るルートを選択する!

ルートを選ぶ最大のポイントは、やはり「安全性」でしょう。たとえば、登山者が多いルートでは、万が一何かあっても他の登山者に異常を知らせることができ ます。また、水場や売店のある山小屋(必ず売店があるわけではないですし、売り切れかもしれないので過信は禁物!)があるルートでは、水分や食料の補給が できたり、救助がされやすかったりします。経験が少ないうちは、鎖場やハシゴ、岩場は避けたほうがよいでしょう。どのルートを選んだらいいか困った時は、 山小屋に直接連絡したり、観光協会(登山口に併設されているビジターセンターがあればベストです)に連絡するとよいでしょう。


(4)予想コースタイムを考え、登山開始と下山予定の時刻を決定

地図に「1:20」のように記載があるのは、「1時間20分程度」かかります、ということですが、これは「休憩時間を含まない」タイムであり、もちろん個人差があります。ですので、休憩時間(だいたい30分ごとに5~10分に設定するとよいでしょう。)や体力を考慮し、コースタイムに加算して余裕を持った山行計画を 立てます。この時、「等高線」が参考になります。等高線の幅と幅がつまっているような場所は、傾斜がきつい箇所になりますので、登りでは特にコースタイム より遅れがでることが多いです。逆に、等高線がほとんどないようなところ(平坦な林道など)では、コースタイムとそれほど変わらないでしょう。このあたり は経験でわかってきますので、最初はとにかく余分にかかるものだと思ってください。

 

こうして「1:20」「2:00」で登頂し、そこから「1:40」「0:45」で下山できるとあれば、(登りで4時間、お昼休憩を30分とるとして、下山で3時間ぐらいだなぁ~)なんて考えま す。この場合だと、往復7時間半となりますが、さらに余裕をとって8時間とします。

 

自分の予定するコースタイムが決まった ら、下山口(又は山小屋)につく時間を決めましょう。夏と冬で日没の時刻は異なりますが、だいたい「15時」までには行動を停止するようにしましょう。今回の例ですと、15時-8時間=7時ですので、7時登山開始…ですが、登山の基本は「早発早着」が原則ですので、より早い時間で出発ができるなら、6時くらいには出発しましょう(北アルプスなどの高山では明朝4時から下山開始することもよくあります)!

 

(5)登山口までのアクセス方法(交通手段)を決定する

登山開始時刻が決まったら、そこまでのアクセス方法を考えます。登山開始までに準備やストレッチなどもあるでしょうから、少なくとも30分前までに は付くように計画しましょう。マイカーで行く場合は渋滞や道迷いも考慮しなければなりません。近年は「グーグルマップ」などでルート検索が容易なので、非 常に便利になりました。

なお、アクセス方法は、極力公共交通機関を使うのがよいでしょう。下山後の交通事故や、寝不足による体調不良を防ぐためです。ちなみに槍ヶ岳の登山口の一つであり、「北アルプスの玄関」と呼ばれている上高地ですと、夏山シーズンでは名古屋・大阪(梅田)・東京(新宿)から直通の夜行バスが出ており、早朝に上高地に付くことができるのでおすすめです。

 

(6)おおよその計画ができたら、可能な日程を決定する

アクセス方法、下山時刻などが決まったら、日程を調整します。サラリーマンですとなかなか難しいですが、理想を言えば、下山後の翌日は一日「予備日」として開けておくのがよいでしょう。また、出発が深夜や早朝になることも珍しくありませんので、しっかりと睡眠がとれるように「午後休暇」などをとる のもいいでしょう。ちなみに、人気の山では、三連休などはすごく混むので、混雑が嫌いな人は注意が必要です。また、積雪の有無などはよくご確認ください。 たとえば、連休だからといって、GWに槍ヶ岳に行こうとすると、引き返すことになるでしょう。

真夏であっても、低い山は熱中症の危険があったり、「山ヒル」が多くいたりなど、注意が必要です。対象の山は、どの時期に登るのがいいか、よく調べましょう。

 

(7)およそ3日前までに「登山届(登山計画書)」を作成する

登山届」を用意することで山行計画の再チェックや確認にもなります。また、万が一事故があった場合に、捜索活動が容易になるケースがあります。誰かに伝えれば、登山経験者のアドバイスを受けることができるかもしれません。当日の朝に作成していては出発が遅くなる恐れもありますので、必ず前もって作成しましょう。なお、登山届は山のある警察署のHP等からひな形を入手できたり、最近ではメールで提出できたりします。


(8)体調を整え、しっかりとした準備を整え、いざ出発!

登山の準備は、2日前までには行い、前日夜などに再度チェックを しましょう!レインウェアやヘッドランプや地図は絶対に忘れてはいけません。財布や時計、コンタクトやメガネ、携帯(※電波の良いドコモが山の常識のよう です)、けが防止用のグローブは持ちましたか?サングラスは?タオルは?実際の山に行った時を具体的にイメージして、忘れ物がないかしっかりとチェックし ましょう!(→登山の持ち物チェックリスト)・・・そして、一番大切な人に連絡しましょう。縁起でもないかもしれませんが、想いは伝えて損はありません。「山に行ってくる」の一言でもいいですから、親に、奥さんに、大切な友人に一声かけましょう。登山中、判断に迷った時に、力を貸してくれるかもしれませんよ☆

 

以上です\(^o^)/

・・・少しは役に立ちましたでしょうか?

 

※当該ページに記載の情報に関しまして、アドバイス等のご意見がございましたら、お問い合わせページより代表野村までご連絡ください。プロの方の暖かいご指導をお待ちしております。

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