ネット時代の登山ブーム

全国的に梅雨明けした地域が多くなり、いよいよ本格的な夏山登山シーズンとなってきました。FacebookやTwitterのタイムライン上でも山仲間たちの山行記事や山画像にあふれ、いよいよ始まったな~とワクワクするこの頃です\(^o^)/

さて、ありがたいことに本業が忙しく、久しぶりの代表者ブログになってしまいましたが、この度、NHKの看板番組である『クローズアップ現代』の取材を受けましたので、それに関連してサークル運営体制のご紹介です☆


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(1)インターネットで山仲間を集めることのリスク

番組がまだ放映されていないので、趣旨とズレが生じるかも知れませんが、インターネットで山仲間を集めることのリスクとして、下記のような点が指摘されています。


・インターネットは匿名性があり、人柄はもちろん、本名さえもわからないことがある。その結果、「にわかパーティ」が出来上がり、緊急時になんら対処ができず危険性が増している。


・インターネットの活用により、山岳関連団体への入会の敷居が低くなった反面、安全意識の低かったり、軽率な考えで登山を始めやすくなった。指導者もおらず、技術もバラバラであることから山岳事故が生じやすくなった。



(2)山頂café~ビギナーのための登山サークル~における『7つの対策』

上記指摘の通り、インターネットやSNSが募集方法のメインである当登山サークルでも、『内在的なリスク』として認識しており、その対策として、下記の対応を行っております。


①サークル規約の作成

「組織」が「組織」であるための最低限のルールになりますが、もうひとつの目的は、しっかりした規約を作ることで、「所属意識を高める」ことが狙いのひとつです。所属意識があるからこそ、「仲間意識」が芽生え、それが協調性を生むものと考えています。


②山岳保険への加入義務

登山マナーの一つである「山岳保険への加入」をサークル加入要件とし、「保険なんていらないでしょ?」「自己責任でなんとかするから」という無責任(※グループ登山においては、個人の“自己責任”に任せることはありません。)な登山者が加入しないように線引きを図っています。


③懇親企画(飲み会、花見、サークル総会など)の充実

いきなり登山で会うのがはじめましてにならないように、できるだけ多くの懇親企画を用意しています。新年会、サークル総会は毎年必ず行い、恒例行事となっています。懇親会での会話の中で信頼関係が少しずつ生まれてくるため、実際に登山に行く際にプラスに働くことが多いです。


④サークルが用意する公式規格はすべて登山ガイドが同行

当登山サークルは、『ビギナーのための登山サークル』ということが特徴でもあり、基本的に全員がビギナーとなります。先輩も後輩もなく、ベテランもビギナーもありません。そのため、公式企画のすべてに登山ガイドを同行してもらい、当日のガイド業務はもちろん、「(ビギナー向けの)読図講習」や山登りの基本講習を組み込んでおります。


⑤各支部100名を定員とし、「顔の見える登山サークル」へ

当登山サークルは、1支部(現在、全国に9支部あります)の定員を100名に限定し、閉鎖的なコミュニティを形成しています。これにより、メンバー間が顔と名前を覚え、仲間意識が輪となって広がっていく効果があります。また、一緒に登山へ行く予定が決まったメンバー同士で事前に『LINEグループ』を作り、事前相談体制や事前のコミュニケーション体制を整えている点でも、安全性を高めています。


⑥大手登山用品メーカー『ラフマ・ミレー』様主催の机上講座!

安全登山に欠かせないのが、登山用品選びです。この登山用品選びについては、登山ガイドよりも、各メーカーの方が詳しいため、当登山サークルでは、『ラフマ・ミレー』様にご協力頂き、登山グッズのご紹介やウェアリングについても講義を行ってい只いております(※直営店がある東京・大阪のみ)。また、各支部において「買い物ツアー」なども行い、登山用品選びからのフォロー体制を整えています。


⑦幹部メンバーによる充実のチェック体制

全国に約800人いる山頂caféメンバーからの多様なニーズに応えるため、サークルが用意する公式企画の他に、「公認企画制度」を設けています。これは、やや経験豊富な各メンバーが企画し、それを運営幹部がチェックをし、お墨付きと監督下に置いたうえで山行計画を立てるものです。山岳会に近い取り組みですが、参加者と登山のレベルが違うようなケースを未然に防ぎ、自分たちのレベルにあった安全登山を行う効果があります。


(3)まとめ

以上、当登山サークルの取り組みをご紹介させて頂きましたが、「登山」にはやはり特有の「リスク」があります。これは「ネット登山」の影響というものではありません。常に登山にはリスクがあることをしっかりと認識したうえで、自然を相手にする以上、「きちんと勉強して技術を習得していくことが安全登山に繋がるだ」という謙虚な気持ちが大事なのではないかなと考えています。『安全なくして登山なし』ですね。


以上

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コメント: 5 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    さかもと (火曜日, 28 7月 2015 20:12)

     管理者様の日頃のご努力に敬意を表します。
     しかしながら、いくら安全を強調しても、ネットの性格上、安易に参加するのを100%防ぐことは不可能です。管理者様の知らないところでこのサークル参加者が事故にあっているかも知れません。
     管理者様がもっと安全を前面出されますことを祈ります。

  • #2

    たちばな (土曜日, 08 8月 2015 02:33)

    以前このサークルに入っている人から、登山ガイドが間違った道を行ってしまい、下山が夕方日が落ちてからと言う事を聞きました。ガイドを雇って投げっぱなしでは安全を管理しているとは言えないのではないでしょうか。

  • #3

    代表野村 (土曜日, 08 8月 2015 10:52)

    >さかもと様
    貴重なご意見ありがとうございます。おっしゃるとおり(ネットだけに限らず)安易に登山をする方を100%防ぐことは不可能です。当サークルでは、どのような気持ちで参加したかにかかわらず、プロの登山ガイドやメーカーを通じて安全登山の基本知識や危険な事例を伝達する機会や設けており、ビギナー登山者における安全意識の向上を図りたいなと考えております。まだまだできることはあると思っておりますので、取り組みを見守っていただければ幸いです。ご意見ありがとうございました。

  • #4

    代表野村 (土曜日, 08 8月 2015 11:01)

    >たちばな様
    コメントありがとうございます。当サークルでは公式企画催行後にガイドから報告を受ける仕組みをとっており、ご指摘のような事実は確認できておりません(高速渋滞で帰宅がやや遅くなったことはありますが、下山時は予定通りです)。
    また当サークルでは一部のツアー登山とは異なり、ガイドさんに毎回読図講習を行っていただいたり、リーダー経験をさせてもらうなど、投げっぱなしの山行にはなっておりません。なぜ投げっぱなしと判断されたのかわかりかねますが、ガイドではなくても、山行において投げっぱなしはいけませんよね。自立した登山者にならなくては、いつまで経っても成長しないと考えております。ご意見ありがとうございました。

  • #5

    さとう (金曜日, 21 8月 2015 00:50)

    去年御在所岳のツアーに参加させて頂きましたが、ガイドの方が道迷いになりヘッドライトをつけての下山となりました。
    このような報告がされていないのはとても残念です。たまたまそのガイドさんが悪かったのかもしれませんが、ガイドさんに不信感を抱いてしまいました。ガイド任せになった自分も悪いと思いますがガイドがいるから安心と言うことは全くないと感じました。