サークル規約の作り方

夏山登山のハイシーズン(7月~8月)もいよいよ後半になってきました。今年は週末に天気が崩れることが多い気がします。広島市の土砂災害など、自然の怖さを再認識させられています。くれぐれも天候の悪い時には山に登らず、安全第一で登山を楽しんでいただきたいと思います。さて、今回は「サークル規約」の作り方についてご紹介いたします。

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~サークル規約を作るメリット~

まずは、「サークル規約」を作るメリットについてご紹介します。サークル規約を作るメリットというのは、下記の3つのポイントがあります。この3つの観点から、サークル規約を定める必要性がおわかりいただけると思います。

※「サークル規約」がないというのも、ゆるいサークルとしてアピールになりますが、組織として継続していきたいのであれば、やはりゆるくとも最低限は決めておくことをお勧めいたします。


ポイント① 

『任意団体』として、銀行口座及び団体名義で保険契約を締結することができる。


ポイント②

意思決定スピードや帰属意識の向上により、サークルの「組織運営」がスムーズになる。


ポイント③

メンバーの帰属や、団体の責任等をあらかじめ定めることで、トラブルの予防に役立つ。0




~サークル規約の作り方~

手順① サークルの『名称』を定める。

まずはサークルの『名称』を定めます。『名称』はどういった活動をするかというのがわかりやすいように定めるとよいでしょう。たとえば、地域を限定してアウトドアをしたい場合などでは、『○○○アウトドアサークル』などですね。当サークルのように、副題をつけて、『○○○○~名古屋の社会人向けアウトドアサークル~』とするのもわかりやすくておもしろいと思います。


【作成例】

第1条(名称)

名称は、『○○○○』(以下、「本サークル」という。)とする。


手順② サークルの『所在地』を定める。

次にサークルの『所在地』を定めます。これは、団体保険契約をしたり、銀行口座を作ったりするうえで必須の項目になります。大学内にある場合は、大学の本拠地と同じにしたり、事務所(部室)がある場合は、その事務所(部室)の所在地を定めるとよいでしょう。なお、レンタルスペースを借りて活動している場合は、そのレンタルスペースの管理会社へ事前に確認を取るようにしましょう。後からトラブルに発展する恐れがあります。なお、当サークルでは、「登山サークル」ですから、基本的に活動の本拠地がありません。そのため、代表者の住所地をもって、本拠地としています。

※このように記載することで、代表者が引っ越しをしても、サークル規約を変更する必要がなくなります。

 

【作成例】

第2条(所在地)

本サークルの所在地は、○○県○○市○○町○○番地とする。


 

手順③ サークルの『目的』を定める。

サークルの所在地まで決まった後は、そのサークルを作った背景とも言うべき、『目的』を定めます。この『目的』はサークル活動の方向性を表すことにもなるので、非常に重要になります。発起人(サークルを立ち上げようと思いついた人たち)でじっくりと吟味するようにしましょう。なお、なるべく短い方がわかりやすくてよいでしょう。

 

【作成例】

第3条(目的)

本サークルは、「~~~」することを目的とする(目的として活動する)。


 

 

手順④ サークルの『活動内容』を定める。

サークルの目的が決まった後は、『具体的な活動内容』を決定します。この具体的な活動がないと、対外的にどういう活動をしているのかわからず、怪しい団体と思われてしまうこともあるため、しっかりとした組織として認めてもらうには、必ず定めることが必要です。

あたりまえですが、公序良俗に反する活動内容はやめましょう。

なお、活動実績がなくとも、こういう活動をしていきたいという表れで大丈夫です。

※特に、営利活動(お金儲け)をするかどうかが大きなポイントです。 


【作成例】

第4条(活動内容)

本サークルは、第2条に定める目的に従い、下記の定める活動を行う。

①~

②~

③~

④上記に付随する一切の活動

 

手順⑤ サークルの『組織』を定める。

さて、上記までは、いわゆる「サークルの組織概要」でした。そしてここからは具体的な運営になります。組織である以上、少なくとも5人以上はいらっしゃると思いますが、大きくなればなるほど、『役割』が重要となります。『役割』がしっかりとしていないと、帰属意識が低くなり、サークルの運営(意思決定)も難しくなり存続が危ぶまれるでしょう。

サークル規約の中でも非常に重要な項目になります。


基本的には、『代表』と『幹部(役員)』を定めることになります。さらにお金が発生する場合は、『会計担当(会計係)』を定め、それをチェックする『監査人』を定めるとよいでしょう。また、大きな組織では、代表及び幹部で構成される『幹部会』などの、合議(多数決などの複数人による意思決定方法)での組織を作るのも、良いでしょう。株式会社でいうところの『取締役会』や『株主総会』『監査役会』がこれにあたります。


なお、俗人的な組織であれば、サークル規約の中であらかじめ特定の人物を定めても構いませんが、長く存続することを目指すのであれば、選任方法をしっかりと定めておくとよいでしょう。

 

【作成例】

第5条(組織)

本サークルは、次の役員(意思決定機関)を置く。

①サークル代表    1名

②サークル副代表   2名

③会計係       1名

④監査役       1名


第6条(選任方法)

1.第5条に定めるサークル代表は、サークルメンバーの4分の3以上の賛成をもって、サークルメンバーの中から決定する。

2.第5条に定めるサークル代表以外の役員は、サークルメンバーの中から、サークル代表者が指名し、本人の就任承諾及びサークルメンバーの3分の1以上の賛成をもって、決定する。

3.第5条に定める役員が欠けた時は、サークル代表が兼務する。なお、サークル代表が欠けた時は、新たなサークル代表が決まるまでの間、サークル副代表がその任務を行う。


第7条(役割)

1.サークル代表は、本サークルを代表し、本サークルの活動を統括する。

2.サークル副代表は、サークル代表を補佐し、サークル代表が欠けた時は、サークル代表に代わって、本サークルを代表し、本サークルの活動を統括する。

3.会計係は、本サークルの活動で生じた金銭等の財産を管理する。

4.監査役は、本サークルの活動及び会計を監査し、不適切なことを発見した時は、サークル代表及びサークル副代表に報告する義務を負う。



手順⑥ サークルの『活動年度』を定める。

次に、活動年度を定めます。これは、会計処理の便宜のためや活動内容を見直したりするために必要になります。区切りを設けることで、再スタートをきったり、何かを改定したりする絶好のタイミングにすることもできます。なお、大学内のサークルであれば、4月1日~3月31日がよいでしょう。社会人であれば、1月1日~12月31日が多いですが、たまに、「10月1日~9月30日」という年度もあります。活動のシーズンにあわせて、決めるのがよいでしょう。


【作成例】

第8条(活動年度)

本サークルの活動年度は、毎年○月○日~○月○日とする。



手順⑦ サークルの『メンバー(会員)』について定める。

上記までの決定が終わると、いよいよサークルの形が出来上がったことになります。後は、組織ですから、その構成員となるメンバーの条件を定めなくてはなりませんね。大学であれば、『その大学に在籍中の者』は必要最低限の条件になるでしょう。また、社会人であれば、『○○○に住所を置くもの』などの地域を限定したり、『○○歳以上』などの年齢で限定したりすることが考えられます。さらに、『サークル規約に同意出来る者』というのも必須になるでしょう。サークル内秩序が乱れてしまってはいけません。加入者を限定的にし、紹介制度や承認制を設けることもできますので、どういうサークルにしていきたいかをきちんと確認してから決定するようにしましょう。


※サークル加入の形式的な要件のほかに、サークルメンバーについて、『義務』を設けることもあります。たとえば、『本サークルメンバーは、毎月行われる活動に年間8回以上参加しなければならない』や、スポーツサークルであれば、『本サークルメンバーは、事故の防止に最大限に努めなければならない』という努力義務規定です。



【作成例】

第9条(加入要件)

本サークルのメンバーは、下記の要件のすべてを満たしたもので、サークル代表及びサークル副代表が承認した者とする。

①本大学に在学中の男女。

②本サークル規約に同意した者。




手順⑧ サークルメンバーの『脱退』について定める。

組織である以上、組織に加入する者もいれば、当然ながら脱退するものもいます。また、サークルに入ってきたものの、相性が合わずに問題行動ばかり行うメンバーもいるかもしれません。そのため、単なる「脱退要件」を定めるのに加えて、『強制脱退命令』の規定も設けるとよいでしょう。会社でも懲戒免職があるのと同様、サークル秩序の維持には欠かせない規定になります。


【作成例】

第10条(脱退及び脱退命令)

1.本サークルに所属するメンバーは、サークル代表に「脱退」の意思を伝えることにより、いつでも、任意に脱退することができる。また、第9条第1号(在学要件)に定める要件に抵触した場合は、なんらの意思表示をしなくても、脱退したものとする。

2.下記に定める事由に該当した場合には、サークル代表は、メンバーを強制的に脱退させることができる。

①本サークル規約に違反したとき。

②公序良俗に違反し、反社会的な行動を行ったとき。

③○週間以上連絡が取れないとき。

④上記のほか、サークルの運営上好ましくないと者とサークル代表及びサークル副代表が認めた時。





手順⑨ サークルの『活動費(入会費や年会費)』について定める。

組織を運営し、様々な活動を継続的に行っていくうえで、ある程度の支出が必要なことは当然のことになります。当サークルのように入会費や年会費無料というのが特殊であり、基本的には活動資金が必要になります。そのための規定はしっかりと定めておき、不正のないようにすることが重要です。管理方法についても定めておくとよいでしょう。


【作成例】

第11条(サークル費)

1.本サークルの活動にかかわる費用は、サークル費の中から支弁する。

2.サークル費は、入会時(入部時)に5000円、年会費5000円とする。

3.サークル費は、活動年度に退会した場合でも、返還しないものとする。

4.サークル費を徴収した結果、剰余が出た時は、翌年に繰り越すものとする。

5.サークル費は、原則として金融機関口座にて預け入れて管理することとする。



手順⑩ サークルの『免責事項』について定める。

ここまで決定できたら、いよいよ「締め」になります。特に重要なのは、「免責事項」です。何か活動を行うということは、それだけ責任も発生します。スポーツサークルにおいうて、メンバーがサークル活動中に事故を起こしてしまい、万が一死亡してしまった場合に、社会的、民事的な責任を問われる可能性があります。もちろん、サークル規約で定めたからといって、責任が当然になくなるわけではありませんが、あらかじめ免責規定を設けておくことで、それにあらかじめ同意をして(損害賠償請求の放棄をして)加入したメンバーが責任追及することを予防する側面があります。裁判になれば、効力があるかどうかはわかりませんが、必ず定めておくようにしましょう。


【作成例】

第12条(免責規定)

本サークル及び本サークルのメンバー(サークル代表及びその他の役員を含む。)は、サークル活動に伴い生じた事故等に関し、いかなる責任も負わず、各メンバーの自己責任とする。



手順⑪ サークルの『解散』について定める。

組織である以上、「解散」する時がいずれ訪れます。メンバーが不在になった時の自然消滅でいいじゃんと思われるかもしれませんが、銀行口座などを作った場合には、やはりきちんと解散できるようにしておくべきでしょう。この項目では、合意による解散を定めておくとよいでしょう。


【作成例】

第13条(解散)

本サークルは、次の事由により解散するものとする。

①サークルメンバーが5人を下回ったとき。

②サークルメンバー全員が合意したとき。

③第○条に定める活動目的を達成したとき。



手順⑫ サークル規定の『改定』について定める。

さて、これが最後の項目になります。一度定めた規約でもサークル活動が変わったり、いろいろと問題点が発生することが予想されます。そのため、規約の改定についての方法について決めておきましょう。憲法改正ではありませんが、改定する要件を厳しくすればするほど、改定が難しくなるため、注意が必要です。


【作成例】

第14条(サークル規約の改定)

1.本サークル規約は、サークルメンバーの過半数の同意をもって、改定することができる。

2.本サークル規約の改定は、役員又はサークルメンバーの3分の1以上の発議によるものとする。



手順⑬ サークル規定の『附則』について定める。

附則とは、いつからスタートするのか、いつ、どのように改定されたのかを定めます。

規約本文ではない「記録」ですので、本文の後に、「附則」として残します。


【作成例】

附則

本サークル規約は、サークルの設立日である○○年○○月○○日から施行する。


○○年○○月○○日 第○条改定、第○条追加。



~最後に~

以上で、サークル規約の作り方についてのご紹介はおしまいになりますが、サークル規約を作る目的というものを忘れてはいけません。サークルのメンバーのことや趣旨に応じた規約作りというのが大切です。「リスクマネジメント」という側面も忘れてはいけませんが、「みんなが楽しく活動するため」というポジティブな意味合いもありますので、いろいろと考えて作るようにするとよいでしょう。


なお、当登山サークルのサークル規約はゆるめに作っています。サークルごとにまったく異なるサークル規約にもなりますので、あくまで参考程度にご参照ください。




以上


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